予兆を感じるままに進む:豊かな人生への教訓(本アルケミストより)
アルケミストという本をご存知でしょうか。
羊飼いの少年が、ある日夢に出てくる宝物を探して、旅をするお話。
この本は、私たちが人生の意味を見つけたり、自分なりの豊かな人生をおくるために、多くの気づきを与えてくれます。
この本を知ったきっかけは、ベトナムの友人から教えてもらいました。人生のバイブルとして、人生の方向に迷った時、必ずこの本に立ち返り、考えるそうです。
この本で出てくる、"OMEN"(前兆)というキーワードについて紹介したいと思います。
人生の宝物を見つけるために、"OMEN"を読むことの大切さが、繰り返し書かれています。
"OMEN"(前兆)を読むために2つ大切なことがあります。
1つは、自分の中に眠っている「内なるの声」に耳を傾けること。
もう1つは、今周りで起きている「兆し」に注意深くなること。
内なる声というのは、心から望んでいる本当の願い、といった意味で使われています。
内なる声は、子供の頃は誰でも知っています。
結局、人は自分の運命より、他人が羊飼いやパン屋をどう思うかという方が、もっと大切になってしまうのだ
注意しなければならないのは、内なる声を無視すると、だんだん小声になり、ついには、内なる声は、何も発しなくなるということです。
小説中で、主人公は、目的地(ピラミッド)にたどり着くお金を貯めるために、クリスタルを売るお店で働きます。
数年が経ち、お金が貯まったくらい頃には、昔からの夢(ピラミッドのふもとにある宝物を見つける)をすっかり忘れていました。思いついたのは、慣れ親しんだ羊飼いの仕事につき、故郷に帰ること。本来の夢を忘れ、慣れ親しんだ環境に妥協してしまうのです。
少年は風の自由さをうらやましく思った。
そして自分も同じ自由を手に入れることができるはずだと思った。
自分をしばっているのは自分だけだった。
心の声に耳を傾けること、夢を思い出した羊飼いは、再び、ピラミッドを目指して旅を再開しています。
兆しに注意深くなるというのは、周りで起きている微細な変化に、敏感になることです。
内なる声を理解し、望む方向へ進むだけでなく、世の中や周囲で起きていることの流れを読み取り、味方につけることで、宝物までたどり着くのではないでしょうか。
小説では、主人公は、戦争中の砂漠を進んでいきます。砂漠では、風の流れ、音など注意深く観察することで、身を守ることができます。逆に言えば、周囲で起きていることに無頓着であれば、迷ったり、災難にあい、目的地までたどり着くことはできません。
現在現れている前兆をもとに見るのだ。秘密は現在に、ここにある。もしおまえが、現在によく注意していれば、おまえは現在をもっと良くすることができる。そして、おまえが現在を良くしさえすれば、将来起こってくることも良くなるのだ。未来のことなど忘れてしまいなさい。
最後に、本書でもっとも伝えたかったと思われるメッセージは、次の一文に現れていると考えています。
「幸福の秘密とは、世界のすべての素晴らしさを味わい、しかもスプーンの油のことを忘れないことだよ」
なんでもかんでも、内なる声に耳を傾け、正直に突き進めばいいのではなく、自分がすでに持っている宝物を大切にしながら(周りで起きている兆しを注意深く観察しながら)、自分の運命を生きていれば、幸せになれるということだと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
ブログのテーマである「世界とつながる」「自分を生きる」ことが自分なりの豊かな人生を生きることにつながるという想いは、この小説のメッセージと共感していると思い、紹介させていただきました。興味が湧いた方は一度読んで見てはいかがでしょうか。自分の子供にもプレゼントしたいと思います。
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